- 2004-04-24 (土)
- contes
童話「シンデレラ」は皆さんご存知のとおり
王子とめでたく結ばれたところで幕を閉じています。
実はそのお話には続きがあるのです。
今日はそれを聞かせて差し上げます。
:
王子とシンデレラは結婚することになりました。
しかしその折、大臣が大変な事実を知ることになります。
時をさかのぼる事、20数年……。
王のもとに吉報が届きました。王子の誕生です。
王子の誕生に国民は歓びの声をあげました。
そこにはごく限られた人しか知らない事実がありました。
王子は双子でした。妹と一緒に産声をあげたのです。
しかし、その国では双子は不吉の前兆とされ、忌むべきものでした。
わが国の未来を暗示し、国民を不安に陥れると考えた王は
息子を跡継ぎとして残し、女の子を養子に出すことを決めました。
王妃は強く反対しましたが、王や側近たちの意見に勝てず
泣く泣く良家の貴族に預けることになってしまったのです。
それぞれ別々の人生を送る王家の実子たち。
そう、王子とシンデレラは実の兄妹だったのです。
大臣はこれを知り、人知れずシンデレラを消すことを企てました。
近親の結婚は許されるものではなかったのです。
結婚式当日、盛大な式典が行われる予定でした。
その準備の慌しさに紛れて、大臣は首尾よく
シンデレラ1人を地下へと呼び出しました。
そして、更に地下へと続く穴に突き落としたのです。
突然の浮遊感と叩きつけられる衝撃……。
新婦が姿を消し、城中が混乱しました。
城の者全員で必死にシンデレラを探しましたが、
結局誰も見つけることはできませんでした。
シンデレラが目を覚ますと、そこは漆黒の闇の中でした。
見上げると遥か上方に、小さく四角い光が漏れています。
次第に慣れてきた目で辺りを見回し、愕然としました。
人骨がうずたかく積もり、散乱していたのです。
シンデレラは叫び声をあげました。
その声も辺りの壁にこだまして消えてゆきます。
そこは、罪人を投獄する地下回廊だったのです。
決して這い上がることのできないものでした。
罪人たちはそこで飢えに苦しみながら死んでいくのです。
助けなど来るはずもありませんでした。
:
それからシンデレラがどうなってしまったのか、
今となっては誰にもわかりません。
しかし、ある国の古城の地下からは今でも、
女性の咽び泣く哀しげな声が聞こえてくるそうです。
そんなことを考えました。
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